A r o m a - n e t


バックナンバー10



  Essay シリーズ 『UK留学(1)』
                   
by さとう 芳子

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 農学部卒業の私が,何故コンピュータ・ソフト開発を仕
 事に選んだかは色々あるが,6年間働いて転職を決心し
 た.貴重な体験ができ,楽しい職場だった.
 
 「アロマセラピーは,心身を癒やし,自己を忘れ勝ちな
 私達現代人に有効ではないだろうか.‘香り’はまだ未
 開発な分野であり,植物の生命力を借りるところにも惹
 かれる.大きな可能性がありそうだ」と考え,これを次
 の職と決めた.
 
 しかしこの頃は“大ブーム”の前で,たまに記事になる
 くらいだった.日本には趣味+α程度の講座しかない.
 プロの知識や技術があるのは,「やはり英国だ.」
 
 95年8月に発って1年後帰国.日本は様変わりしていた.
 IFAの認定講座は出来ているし,協会も乱立状態,雑
 誌ではどこもかしこもアロマテラピー...期待してい
 た講師の職はどこもうまったようで,私の入る隙はない.

 今は,トリートメント中心で活動中.講師も1つ始める.
 その他には,アロマセラピーをより生活に密着した形
 で浸透させるために,友人と,ホームページ“Aroma-net”
 &サークル“あねっと”(あろまねっと企画)で情報提供
 している.
 
 “Aroma-net”では,幅広い人と情報をシェアすること
 が目的で,アロマセラピー基礎知識も有るが,イベント
 一覧,(日本人の)エッセンシャルオイル活用報告等,
 「生の情報」を載せている.
 
 “あねっと”は,設立したばかりだが,より専門的な情報や,
 健康促進全般の情報交換の場になる.
 私がイギリスで学んだ事を反映できればうれしいと思った.
 
 が,こうした活動の中で感じることは,「イギリスの資
 格が全てではない」ということ.日本で勉強している人
 の方が知識が有る,と思った事は一度ではない.
 
 では,イギリスで私は何を得たのだろうか.それは,本
 には書いていない事だろう.アロマセラピストが現に
 活躍している姿を見,受ける人が求める物を実感した.
 本場を感じる何かがあった.
                          *つづく (5/12予定)*
 


 


Essay シリーズ 『UK留学(2)』
                   
by さとう 芳子

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 さて、第一ステップは、学校を決めることだ。ブリティ
 ッシュ・カウンセルや知人に聞いて得た結論は、
 「Tisserand Institude」=ティスランド研究所だった。
 
 第一にはロバート・ティスランド氏の理念に共感したからだが、
 どうやらそこは,英国の中でも講師陣,授業時間数,質
 がトップクラスで、その資格は外部からも一目置かれて
 いるらしい。どうせ苦労するなら最高のものを得たい。
 
 願書を送って数日後、入学試験の日程が決められてきた。
 電話でのインタビューだ。英語から離れて何年になるだ
 ろう。それに国際電話なんて…。一生懸命話せばこちらの
 思いも通じる、と自分を励ましながらの当日だった。
 
 日本時間午後6時。担当の人は優しい感じの女性
 だった。何を話したか良く覚えていないが、
 何故アロマセラピーを学びたいかと聞かれ 、“プランツ・パワー!
 (植物の力)”と叫んだような気がして、今でも思わず苦笑。
 
 が、どうにかその場で入学を許可され、9月からの
 フルタイムになる。

 6月、ティスランドを終了して帰国したばかりだった
 熊谷千津さん(当時増田さん)に会うことができた。あ
 ちらの様子や勉強のこと、日本でできる準備等、丁寧に
 教えていただいた。
 
 早速、渋谷の理系に強いと言われる書店で解剖生理学の
 参考書を買い、ロバートの翻訳本を読み、
 「イギリス留学」の本も見た。
 
 また、アロマセラピーをより有効にすると考え、整体導
 の学校に通う。これはまず、人の体に慣れる面で、そし
 て骨のバランスを観るという、オイルマッサージに無い
 アプローチをする面で大変役立った。
 
 整体導とオイルマッサージは、それぞれが欠点を補い合
 い、利点を活用できる良いコンビネーションだろう。
 
 ところで英国は入国審査が年々厳しくなっているらしい。
 後で知ったのだが、1年の留学ビザを取るのにも苦労する
 とのこと。それにビザを貰うのは入国直前。だから駄目だ
 と言われたらそのまま帰国、と言うことになりえる訳だ。
 
 ビザ取得の準備。入学を証明する書類、銀行の残高証明、
 帰りのチケット、宿泊先…、海外保健。考えられる限りの
 書類を集め、さぁ、渡英だ。
                          *つづく (6/12予定)*


Essay シリーズ 『UK留学(3)』
                   
by さとう 芳子

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 ビザは案外すんなりと貰えた。ヒースロー空港を感動を
 覚えるまもなく出る。黒塗りのタクシーに乗り一路ホテルへ。
 実は、無謀にも住処を決めずに来ていた。一休みして、
 とにかく住む所を探すことにする。
 
 運良くカレッジの近く(チューブで2駅、歩くと35分)
 にイギリス人夫婦の家を見つけ、翌日移動。ロンドンの
 西の外れになる。ビクトリア調の大きな家の3階だ。
 ピクシーという老猫がいる。
 
 ブラジルとフランスの学生もいて愉快な3週間を過ごした。
 そして入学の日を迎えた。
 
 23人の中に、2人の男性と4人の日本人という珍しい構
 成で、FT9(フルタイム9クラス)はスタートした。
 同郷者がいて心強く感じる。

 初日は、アロマセラピーがどういった役割を持つことが
 できるか、や、健康とは何だろう、というテーマで進む。
 久々のディスカッションだ。が、周りの言っていること
 を理解するのが精一杯で、自分の考えを発言するまでに
 は至らない。クヤシイ。
 
 私の語学力が未熟なのもあるが、一日の授業の量が多い
 のには、パニック寸前だった。英国人でさえ、まいって
 いたようだ。9時半から5時迄集中し続けなくてはならな
 い。私は4時過ぎると理解力が20%まで激減していたが....。
 
 授業中だけではなく帰宅してからも予習、復習、宿題。
 だが、進まない。疲れてしまって。
 
 私の場合、語学がストレスになる。そんな時、有り難か
 ったのが、日本人のクラスメート。愚痴を言い合ったり、
 アロマセラピーの将来を語ったり、心が和んだ。
 一生大事にしたい仲間だ。
 
 こんな訳で、渡英前に計画していた、英語学校に通うこ
 とや、カルチャーセンターで陶芸か何かを始めること
 などできず、セントラルにもほとんど出ることなく、
 「ロンドンの冬」に突入していった。
 
                          *つづく (7/12予定)*

 


Essay シリーズ 『UK留学(4)』
                   
by さとう 芳子

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 The Royal Masonic Hospitalは古い大きな私立病院だ.
 看護婦さんは水色の制服で,頭に小さな,まるでウエイ
 トレスのような帽子(?)をのせている.私が持つ
 看護婦さんのイメージからは少々遠い感じだ.
 
 病院の隣には広い公園があり,ランチと散歩を楽しめる.
 リスや鳥が餌をねだるので,友人はいつも無塩ナッツを
 持ち歩いていた.それ用に買っていたらしい.
 
 この病院の看護学校の教室で授業が一日一科目行われた.
 第一期の前半は,次のように進んだ.
 
 オイルマッサージ…1日1部分(背中,足,腕等)を集中
 して学ぶ.第一期が終わる頃一通り覚え,自分でアレンジ
 した全身マッサージの簡単なテストがあった.
 先生のClaire は元気で素敵な人だ.
 インドで学んだことがあると言っていたが,「hara=腹から
 ki=気のエネルギーウンヌン」と言われた時はくすぐったかった.
 しかしそれだけ東洋思想が受け入れられている証しだろう.
 
 クリニカルサイエンス…つまり解剖・生理・病理学は,
 Charlesという整体の専門家が担任だ.この授業では,
 アロマセラピストとしての自分の限界を知り,それを越える
 患者は,医者等専門家に紹介する重要さが強調された.
 身体の異常を判断するために人の体の仕組みや,
 よく見られる病気を理解する必要がある.
 
 アロマセラピー…一日6種類のオイルについて,受ける香りの
 印象,自分の体に起こる変化などを話し合う.そしてデータ
 シートに沿って,使い方や代表的なレシピを学ぶ.
 なかなか楽しい授業だ.Jennieは明るく愉快な人.

 エッセンシャルオイル・サイエンス…Tony Balacsの
 「精油の安全性ガイド」をテキストに進む.Tonyは机の上で
 足をぶらぶらさせながら,フワァとした優しい話し方をする.
 毒性,光感作,妊娠中,精油の気を付けるべき点と使い方等
 を中心に学ぶ.
 
 最後の日にはテキストに"著者のサイン"をねだってしまった.
 Tonyは快く,少し照れながら書いてくれた.
 
 第一期後半は,上記4つとコミュニケーションスキル,つまり
 カウンセリングの技術が加わった.担当のJan Pyeの持つ,
 大らかで繊細な人柄にみんな惹かれる.
 アロマセラピストはカウンセラーではないが,ホリスティック
 アロマセラピーでは相手の気持ちを理解する必要がある.
 そのための,そして自分を守るための,重要な技術と心構えを
 学んだ.
 
                          *つづく (8/12予定)*
 


 


『UK留学(5)』
                   
by さとう 芳子

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 さて前期の最終日はクリニカルサイエンスと
 アロマセラピーの期末試験がある.骨,筋肉,病気の症状,
 エッセンシャルオイルの学名,主な働きetc., etc…
 カードに書いたり友人と問題を出し合ったりの,久々の試験勉強.
 成果は"FT9の友情"が深まった事(?)
 
 知恵熱なのか不明だか,試験の前日突然39℃の熱が
 出て寝込んでしまった.最後のダッシュに掛けた私が
 愚かだったのだろうか...自分の不運を嘆きながら,
 レモンジンジャー(ハーブティー)を飲み,オイルを塗った.
 
 翌朝,妙に気分がいい.なんと平熱に下がっていた.
 雪が降っていたが,この時は病院の寮に住んでいたので
 建物内に教室が有り,病人の私としては不幸中の幸いだった.
 とにかく試験が終わるまで熱が落ち着いていてくれれば...
 
 

 
 試験はそれなりに苦しみ,楽しんだ.最後のダッシュが
 出来なかった割には書けたと思う.
 体調は依然良いままで,いったい前夜の熱は何だった
 のだろう.こうなったら遠足にも行ってしまえ! 
 とキューガーデン見学にも参加することにした.
 
 これはアロマセラピー授業担当のJennieが企画したもので
 数年前から行われている.植物を実際に見るために,
 イギリスでも最大級の植物園を半日かけて見学する.
 イランイラン,フランキンセンスからジンジャーまで.
 
 でも一番印象に残ったのはシダー.
 大きな大きな木に寄りかかって深く息を吸い込むと,
 大地に抱かれているような安心感があり,
 木の偉大さと懐の深さといったものは計り知れない気がする.
 (ちなみにこの後も体調は順調だったが,夜のパーティーは
 さすがに参加しなかった.)
 
                          *つづく (9/12予定)*


Essay シリーズ 『UK留学(6)』
                   
by さとう 芳子

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 その年の残りはクリスマスカードを書くことと,
 予習復習宿題,そして友人とのおしゃべりで過ごした.
 
 クリスマスのロンドンは全て停止していた.
 地下鉄,スーパー,レストラン,勿論マックやケンタッキーも.
 日本のお正月とはまったく違う.宗教行事の力を見た気がした.
 
 このようなイギリスでアロマセラピーがどのように
 受け入れられているのか,というと「穏やか」な
 イメージがある.
 イギリス人の家に住んでいた頃は,一ヶ月に2〜3回は,
 アロマセラピスト個人のチラシが投げ込まれていたし,
 石を投げれば当たるといわれる程人数も多い.
 
 街の自然食品店やドラッグストアにはエッセンシャルオイルが
 陳列されていた.教会でも講習会を受け入れるまでになっていた.
 「とても流行っている」ことは間違いない.
 しかしスピード感は無い.(日本が速すぎた…?)
 
 日本と異なるところは,指圧,鍼,カイロなどと同じ様に
 健康目的に利用する人が多いことではないだろうか.
 日本では一部の人を除いて,家でバーナーを使用したり
 入浴時に使用するなど,個人で活用している場合が
 大部分だと感じる.
 

 

 家庭での活用はとてもすばらしいことなのだが,
 セラピストの利用と両輪で行なえれば,更に
 アロマセラピーの効果がでると思う.
 
 人と触れ合い,語り合う場所.
 疲れたり悩んだら戻れる場所(解決に結びつかなくても),
 生活から離れてホッとできる場所が,
 必要な人が多いのではないだろうか.
 それは何処でも良いと思う.ただアロマが好きな人は
 それを利用するといいのでは?
 
 イギリスの話に戻るが,やはりニューエージ系とセラピー系
 (表現が適切ではないかもしれない...)がいた.
 我らがFT9でも,クリスタルを併用したり座禅を組んだり
 する人もいれば,まったくそれらを受け付けない人もいる.
 殆どは中間だったが,
 どちらにしても全員が本当にアロマが好きで,熱心で,元気,
 そして個性的で,講師陣にも変わっていると好評(?)の
 愉快なFT9のクラスだった.
 心強かったし,楽しかった.この巡り合いに感謝している.
 
 
                          *つづく (10/12予定)*


Essay シリーズ 『UK留学(7)』
                   
by さとう 芳子

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 後期になると実技が重視され、宿題もマッサージ
 のみとなった。留学生なので知り合いも多くなく、
 受け手を探すのに一苦労。クラスメート同士での
 交換は勿論、友人や在駐日本人の奥さんを探したり、
 友人の友人を紹介してもらった。
 
 特にケーススタディー(卒業研究)は
 5人の患者(体調の悪い人)に5回ずつ
 受けてもらわなくてはならない。
 
 ある日,寮の地下でいつもの洗濯をしていると、
 同年代の女性がやはり洗濯に来た。住んでいる
 人数に対し極度に少ない洗濯機は,平日の朝でも
 うまっている事がしばしばで悩みの種だった.
 
 彼女を待たせている気兼ねも有り,
 「見て、このバスタオルの量。アロマセラピー
 やっているからなんだけどね。」と言い訳しながら
 乾燥機につっこんでいると、
 彼女が「アロマ」に興味を示した。そこで
 「実はケーススタディーの相手を捜しているのだけど
 興味ない? どこか調子の悪いところ無いかしら? 
 費用? オイルと洗濯代もらえればいいの。
 (私だったら飛びつくけどな〜!)」
 そして彼女は勿論喜んでひきうけてくれた.
 
 彼女はロアナというオーストラリア人の看護婦で,
 3日間の日勤をした後、夜勤をこなす日々を送っており、
 仕事の責任の重さと生活のリズムが狂うことによる
 ストレスから,体調を崩しており生理も乱れていた。
 元気で明るい性格なのだが,表情に生気がない.
 

 最初の日はコンサルテーションをキネシオロジーもふくめ,
 40分くらいかけて行なった.病歴,体調とストレス情態
 をこの時間内で把握するのは至難の業だが,これも習得し
 なくてはならない技術=タイムマネージメントだ.
 
 そして,ここで得た情報とキネシオロジーの筋肉テストから
 割り出したオイルで,その人のその時に最適なブレンドを
 作り出す.(この時がアロマセラピストにとっての
 醍醐味ではないだろうか.)
 
 不思議なもので,この方法でブレンドすると,
 受け手にとっては安らぐ心地良い香りでも,
 施術者には不快な香りになるケースが有る.
 必用な物は心地良く,不要なものは不快に感じるのだろう.
 
 しかし私個人としては,受け手,施術者双方にとって
 良い香りのブレンドを造る.なぜなら,
 トリートメントの質が,施術者の体調や精神状態で
 大きく左右すると考えるからだ.
 
                          *つづく (11/12予定)*


Essay シリーズ 『UK留学(8)』
                   
by さとう 芳子

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 そしてトリートメントに入る.
 スウィディッシュ・マッサージがベースだが,
 特にルールはなく受け手が心地良ければ良い.
 指圧点などを深く押す技法や,かなり強く体重を
 かけたり,伸ばしたり,呼吸法を使ったり,
 たたいたり...強いて言えば,
 ゆったりとスムーズな流れの中で施術していくこと
 くらいだろうか.BGMを使う事も有る.
 
 時間が限られているため,ここでも一所に入り
 込んでほぐしたい衝動を押さえるのがたいへんだ.
 普通全身を1時間かけて行なうが,慣れないうちは
 1時間30分以上かかってしまう.そのくらい
 しないと受け手が満足しないように思っていた.
 しかし施術に強弱をつけることで
 ずいぶん解決できたと思う.
 
 1時間はあっと言う間だ.受け手に終わった事を告げ,
 しばらくそのまま休んでもらう.
 その間に水やハーブティーを用意する.マッサージの
 後は脱水するため補給が必用なのだ.
 この時あまり冷たいものは避けた方がよいと
 アユールベーダでは言っている.
 
 

 ロアナは下の階に住んでいたのでお互い便利だった.
 とくに施術後,何もせずにベットに入れるなんて
 少しうらやましかった.
 
 3回目に来たときは彼女の目が輝いていた.
 始めてあったときとはずいぶん違う.体調が良く,
 ちょっとしたトラブルにも対処できるほど気持ちが
 充実していると言っていた.
 
 4回目,5回目になると
 「月曜日(施術日)を1週間の楽しみにして仕事に
 励める.皆にも明るくなったと言われる.
 アルコールが減り,睡眠時間が増えた.
 この場所(私の部屋)は何かくつろげるものがある.」
 と心から喜んでもらえたようだった.
 
 彼女が自分の部屋でレモングラスを焚き初めたので,
 廊下までプンプン匂っていた.周りの人の事を考えると
 少し責任を感じたが,生活習慣がかなり変り,
 元気になってもらえたようで本当に良かったと思う.
 
 ロアナの他には,「離婚寸前のアルコール中毒の夫
 をもつ30代の女性」,「離婚後,前夫から得た
 心の傷(睡眠障害,対人恐怖症など)を持った
 30代の女性」,「腰痛の30代の男性」,
 「リンパが弱く,むくみがひどい50代の女性」
 に出会えケーススタディーとさせて頂いた.
 
 それぞれに「精神の安定と生活エネルギーの充実に
 効果が高く,その他諸症状の改善につながる」
 と評価して貰え,なんとやり甲斐のある仕事だろうと
 感激した.その後も「躁鬱症でアルコール中毒の
 50代の男性」や「にきびと生理痛に悩む20代の女性」
 など興味深い経験が出来た.
 
 
                          *つづく (12/12予定)*


Essay シリーズ 『UK留学(9)』
                   
by さとう 芳子

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 イギリス人がそうなのか,たまたまなのか,
 皆悩みをオープンに話してくれた.
 
 それぞれがそれなりに原因を解明し何らかの
 努力をしていた.
 自分自身をよく観察していたように思う.
 悩みを持つ事は(勿論)悪い事ではなく,
 それに対して何もしない事が弱い事なのだろう.
 
 また,私自身クラスメート(Maxine)のケース
 スタディになり,5回のトリートメントを受けた.
 
 これは重要な体験だった.
 クライアントがどう感じるのか,何を求めるのか,
 そして心身の変化を,受ける側の視点で感じる事ができた.
 
 私はアレルギーがひどく,喘息,鼻炎,
 金属カブレなどで悩まされていた.
 
 U.K.の気候や建物の作りから,
 日本ほど体調は悪くならなかったが,
 それでも常備薬は手放せなかった.
 

 Maxineはクラスの中でもマッサージがうまく,
 人柄も堅実で前向きで楽しく,
 最も仲良くしてもらった友人だ.
 
 驚いたのは,ローズ・オットーの入った
 ブレンドで施術してもらった後,何百ものバラが
 体中に咲いているような,今までに無い感覚があった.
 
 また全身丁寧にマッサージしてもらって,
 自分自身が大切な重要な存在であり,
 自分の個人の空間が確保できた気分になった.
 地についたような自信ができ,
 気分が沈んでいる時も外向的になった.
 
 体調としては,十数年離せなかった喘息の吸入剤を
 最後の3ヵ月まったく使わずに過せた!! 
 薬がいやでたまらなかった私にとってこれは
 すばらしい事であり,喜びだった.
 
 そしてロアナも言っていたが,
 週に1度自分をメンテする場所と時間を確保することが,
 他の日の活力となった.「アロマの日まで頑張ろう.」
 
 
 この時感じたのは,
 「セラピストは裁判官や指導者になってはならない.
 あくまでもアドバイザーでありヘルパーであって受け手が主体.
 良くしてあげるとか変えるなどはとんでもない.」ということ.
 
 トリートメントの日が喜びであり,慰めであり,
 休息の場で,日々の活力に結びつく結果になるように心がけたい.
 
                          *つづく (3/12予定)*


Essay シリーズ 『UK留学(10)』
                   
by さとう 芳子

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 春の訪れとともにFT9クラスは,
 各自のケーススタディーをこなしながらも,
 それぞれ巣立っていった.
 
 リフレクソロジーやキネシオロジーなどを学ぶ人.
 ビジネスを始めるため,クリニックを探し,
 チラシ,名刺を作る人. Tisserand Instituteで
 アシスタントになる人.家族の健康に役立てる人...
 
 ビジネスを始める人たちは大きな期待と,
 そして不安を持っていた.
 アロマセラピーがかなり定着しているとは言え,
 まだ変化を続けている若い分野だし,競争相手は
 たくさん居る.経済的には不安定な職種だ.
 
 さらに「授業料等で,貯金が限りなく0に近い」
 というのは私だけではなかった.
 
 多くの人は,ウエイトレスやスーパーのレジ等で
 とりあえずの収入にしたり,会社に勤めながら
 "週末アロマセラピスト"に徹する.
 
 「あんなに一生懸命勉強して,あんなにいい学校を
 出たのにアロマセラピストだけではやっていけない
 なんて...」と思わなくは無かったが,
 これが当たり前のようだ.
 

 私をケーススタディにしたMaxine(マキシン)は,
 フラットから徒歩5分くらいのクリニック・ルームを
 週に数時間借りだした.
 
 クリスタル・ショップの一室で,店内には彼女の
 オリジナル・ブレンドのコスメティックを置いていた.
 彼女のマッサージはすばらしかったので,
 直に数人のクライアントが付いたが,生活が安定するほど
 ではなかったようだ.看護婦の仕事をパートタイムで
 始めたと言っていた.
 
 そんな中,私は寮をでてロンドンの春と夏を満喫すること
 にした.テムズ河沿いをキューガーデンまで歩いたり,
 ミュージカルを観たり,ウインブルドンの伊達選手を応援に
 行ったり(時間が遅かったので中には入れなかった.
 その日はグラフ戦.試合も大詰め.
 中の様子をうかがいながらブラブラしていたら,
 日本のTVレポータに「負けた試合後」という設定で
 インタビューを受けた.しかしご存知の通り試合は翌日まで
 繰り越したので,あれは没になったはず)...
 
 もちろん,アロマセラピーの勉強や技術向上にも努めた.
 
                          *つづく (4/12予定)*


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